歯磨き粉の種類
普段何気なく使っている歯磨き粉にどのような成分が入っているかご存知でしょうか。
歯磨き粉にはさまざまな成分、種類がありますが、用途や目的を知らずに使用すると思い通りの効果が得られなかったり、歯面や歯肉を傷つけてしまう恐れも有ります。
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・歯磨き粉に含まれる基本成分
研磨剤(清掃剤)
プラークや着色、歯表面の汚れを落とす
発泡剤
お口の中全体に歯磨き粉を広げ洗浄、汚れを除去する
保湿剤(湿潤剤)
口腔内の粘膜を傷付けない様に、歯磨き粉に適度な湿り気を与える
粘結剤
成分同士の分離を防ぎ、適度の粘性を与えたり、保型性を与える
発泡剤
お口の中全体に歯磨き粉を広げ洗浄、汚れを除去する
香味剤
歯磨き粉を使いやすいようにする為、爽快感と香りづけをする
保存材
酸化や腐敗等の変質を防ぐ
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・歯磨きの形状
ペースト
一番スタンダードでよく手にされる事の多い馴染みのある歯磨き粉。
発泡剤が含まれている為泡立ちが良く爽快感があるのが特徴。
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ジェル
一般的なペースト状のものに比べ粘着性の高い歯磨き粉。
歯の表面や歯間、歯周ポケットなどの細かい隙間部分にも薬用成分が密着しやすいのが特徴。
しかし、発泡剤が入っていないものが多い為、泡立ちの良い歯磨き粉に慣れている方はスッキリさを物足りなく感じる事があるかもしれません。
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液体
研磨剤、発泡剤が入っていないのが特徴。
液体の為、歯間などの細かい隙間、口腔内全体に薬用成分が行きわたります。
研磨剤が入っていないので歯の表面や歯肉を傷付ける心配がない反面、ヤニやステイン等の着色汚れを落としにくいのがデメリットとして挙げられます。
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粉
保存剤や粘結剤が入っていない為、優しい成分で作られているのが特徴。
最近では無添加の物や、ホワイトニング効果がより期待できる物が普及されてきています。
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フォーム
ポンプ式のボトルから泡の状態で出てくる為、きめ細かい泡で歯磨きできるのが特徴。
液体タイプと同じ成分で作られているので、液体歯磨き粉が使いづらい方にお勧めです。
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・目的とその成分
目的 | 主な成分 |
虫歯予防 | フッ素 モノフルオロリン酸ナトリウム フッ化ナトリウム フッ化リン酸 等 |
歯周病予防 | イソプロピルメチルフェノール 塩化セチルピリジニウム 塩化ナトリウム 塩酸クロルヘキシジン 酢酸トコフェロール 等 |
口臭予防 | イソプロピルメチルフェノール 塩化セチルピリジニウム ラウリルイルサルコシンナトリウム 塩化亜鉛 銅クロロフィリンナトリウム 等 |
ホワイトニング効果 | ポリリン酸ナトリウム ポリエチレングリコール ハイドロキシアパタイト 等 |
知覚過敏抑制 | 硝酸カリウム 乳酸アルミニウム 等 |
着色除去(研磨剤) | シリカ 炭酸カルシウム 無水ケイ酸 等 |
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歯磨き粉は目的によって入っている成分が異なります。
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虫歯予防には フッ素 が配合されいる物を選ぶようにしましょう。
そしてフッ素濃度もとても重要になってきます。
日本で市販されている歯磨き粉は 1500ppm までとフッ素濃度が決められており、より効果を得たい場合は濃度が高い物がお勧めです。
しかし、フッ素を過剰摂取してしまうと中毒を引き起こしてしまう可能性が有るので6歳未満の子供には 1000ppm以下 、うがいができない子には 500ppm以下 の濃度の物を使用するようにしましょう。
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また、研磨剤(清掃材)の有無も確認するといいでしょう。
研磨剤の主な役割は、歯の表面の着色汚れ、色素などをこすり取ることですが、研磨剤入りの歯磨き粉を使用する際は下記の事に気を付けましょう
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・歯や歯茎を傷つけてしまう恐れが有る。
歯の表面組織、エナメル質が削れてしまうと神経に刺激が伝わりやすくなってしまい、知覚過敏になる場合があります。
加齢や、歯周病、食いしばり等により歯茎が下がると根の柔らかい象牙質が露出してしまいます。その状態で研磨剤が多く含まれる歯磨き粉で強くこすってしまうと、どんどんダメージを受け削れていってしまいます。
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・汚れが付きやすくなる
傷ついたところから汚れが入り込むようになり着色汚れがつきやすくなります。
研磨剤入りの歯磨き粉を使用する際には、使用頻度や使用方法を気を付けましょう。
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様々な種類の歯磨き粉がある中で、目的を定め、研磨剤の有無、殺菌成分の効用、ホワイトニング効果など有効成分確認するといいでしょう。
そのうえでご自身の口腔内の状況を理解しているとより選びやすくなります。